はい、行ってきましたよ 第3章に
オタクは前置きが長いので、結論から入りましょう。
うん、面白かった!…とは言えないかなぁ
いや分かるよ。新規に向けてお気持ちやめようとかネガティブやめようとか。
私も基本は良い所を見つけて発信したいとは思っています。
ただ、今回は本当に危機感を覚えました。
シャニソンも順調と言えるか疑問が残る状況で、次に目玉となるシャニアニの出来によって、シャニマスの未来を大きく左右するといっても過言じゃないので…
enza… お前はシャニマスの柱になれ
— akito (@akito005) 2024年1月6日
ただこうなってはもうenzaシャニくんに頑張ってもらわないと厳しいな…というのが今の心境です。
シナリオ的な話で言うと、お話として盛り上がるシーンが無いままライブを迎えてそのまま終わってしまったのが、すごくあっさり感じました。
また、アニメとして総括すると、第2章までめちゃくちゃシャニマスユーザーに寄り添った作りになっていたのに、急に第3章からはただ駆け足なだけで、それをあまり感じられなかった…というのが正直な感想です。
まぁ具体的に私がどういう風に感じたか、下記でつらつら書いてますので、ご参考までに…あくまで個人的な感想なのでそこはご勘弁を。
・3章全体を通して、何かを成した感じがしない
3章は本当に通しで見ていて、キャラクターの成長や何かを成し遂げたという感覚がほとんどありませんでした。
シナリオで言えば、ツバサグラビティという初めての全体曲を歌唱することになり、歌詞の解釈など楽曲の理解を深めていくことから始まり、「Spread the Wings!!」の合同合宿、1stライブなどを通してアイドルは成長していったんだと思います。
ですが、見ていて「どのように」頑張ったのか、それぞれが「何に」苦労して「何を」乗り越えたのかが見ていてピンと来ないんです。少し歌詞をさらって解釈を考えただけで上手く歌えたり、ダンスが難しいと言いながら、どう克服したのか分からないまま最終日には出来てたりするんですよね。
視聴者側としては、特に挫折もなく淡々と階段を上がっているように見えたといいますか、すごく端的に言うとドラマが無かったと感じました。ただレコーディングをして、普通に合宿を頑張っただけのような…。
これも意識的にドキュメンタリー風といいますか、リアルな質感を求めた作風であることに関係するのかもしれません。生きてることは物語じゃないと言われればそうです。
ですがやっぱり視聴する作品である以上は、ドラマが無ければ、盛り上がりが無ければ退屈に感じてしまいます。リアルな描写と言われるenza版のコミュであっても、読み物としてはドラマチックなものも実際多いです。
・「Catch the shiny tail」をやらなかったことについて
まぁやっぱりこのことについて触れないのは違うだろうと。
最初に言っておきたいのは、アニメでもやって欲しかったのにやらなかったから不満とかではないです。折角のアニメだから全く違ったお話をするという選択肢もアリだと思ってます。
ですが、第2章までは細かい違いはあれど「Light up the illumination」の流れを踏襲して描かれていました。そして、灯織の1日警察署長の描写などはさみつつ、283プロ合同ライブ開催にあたって真乃のセンター任命まで描写されました。
ともなると、やっぱりシャニマスユーザーは期待するわけですよ。ここまでお膳立てされてるんですから。
「Catch the shiny tail」で描写されたこと、特にプロデューサーのあの「言葉」やめぐると灯織のあの「言葉」をどれだけ制作側で大切にしているか、それをユーザーもいかに愛しているかは皆さんもご存じだと思います。
ここまでの踏襲と描写があり、散々匂わせておいて、今回「Catch the shiny tail」を感じないシナリオだった、というのはやっぱり肩透かしをくらった気分なんですよね。
最初に言った通り、違う切り口で描くこと自体に不満はありません。ただ、ここまで匂せてなければまた違った感想になったと思いますし、やっぱりもともとシャニマスが好きな人ほど、ここは外してほしくなかったと感じたんじゃないでしょうか。
・真乃がセンターを引き受けたことについて
これもどうしても「Catch the shiny tail」との比較になってしまうところなんですが、正直見ていて違和感を覚えてしまいました。
まず、センターをお願いされたことについて、灯織やめぐるは「真乃だからお願いされたんだと思う」という言葉をかけます。これはアニメでもゲームでも同じです。
そこからアニメでは、ツバサグラビティの歌詞にもある
『だって君が信じてくれた可能性。最初の勇気だね』
という言葉などから、プロデューサーが期待して任せてくれた可能性を信じて引き受けるといったものでした。
ですが私は、現時点でそのことを信じられる強さを真乃は果たして持っているのかな…と感じたんですよね。
というのも、「Catch the shiny tail」での真乃は、センターを任されたことについて「自分が一番頑張りなさいということ」といった捉え方をしており、自分は灯織やめぐるのようにすごい部分が何もないのにどうして任されたのか納得がいってなかったんです。
だからこそ、プロデューサーに「どうして私がセンターなんですか」と直接的な質問をぶつけて、プロデューサーとしっかり会話をしているんですが、真乃はそれでも納得出来ませんでした。
それほどまで自分のことを、プロデューサーが信じてくれる自分のことも、信じられる自信や強さを持っていなかったんです。
また、最終的に自分に自信を持つことで解決したのではなく、灯織やめぐるの隣にいること、それが「真ん中」で自分が居たい場所であることだと解釈することで、前に進んでいくこととなりました。
この描写を知っているからこそ、アニメの真乃が、期待されている自分をすぐに信じられた、ということに違和感を感じてしまったんですよね。
もちろんこのイベントに関しては、3人が電車を乗り過ごした際に、灯織やめぐるのすごい所を実感したこともあって強くなった気持ちではあるので、その出来事を経由していないのであればアニメの通りでも不自然ではないという考えもあると思います。
もしくは、描かれいないだけで、アニメではセンターを引き受けるまでに「Catch the shiny tail」があったのかもしれません。ただそれは見ていてもこちらに伝わらなかった部分なので、そうだとしてアニメだけ見て説得力が無かったことに変わりありません。
個人的には真乃が自分を信じられるようになるまでの過程に、もう少し灯織やめぐる、プロデューサーとのやり取りなどがあれば良かったんですが…。まぁ尺とか言い出すと不毛ですし…。
・「ツバサグラビティ」と「Spread the Wings!!」の役割が被っている
個人的にこれが一番致命的だったと思ってます。
1stライブに向けて作られた全員曲、それがツバサグラビティ。それを披露するためにダンスの練習に励み、曲の理解を深めてレコーディングに挑む。その話を8話から9話にかけて描いていました。ここはすごく良かったと思っています。
そしたら急に、今のアイドルを見て感じて出来た楽曲だと言って「Spread the Wings!!」が出てきました。いやほんまに急だな…しかもまた時間が無いとか言うし…。
なんと驚いたのは、10話から「Spread the Wings!!」を完成させるためといって合宿に臨みます。いや、8話とか9話がそういう話でしたやん…また楽曲をマスターするという同じ流れの話をするの????????ってなりませんか?私はなりました。
また、肝心の1stライブでの披露についても、ユニット毎の楽曲披露を終えた後にそれぞれ2曲を披露していましたが、どちらの曲も似たような立ち位置で描かれており、どちらも過去の回想シーンを間に挟む演出をしていました。
いや、楽曲で思い出ボムのような効果を演出したかったんだと思うのですが、立ち位置が被り過ぎていて、どっちの役割もめちゃくちゃぼやけてるし、同じ演出を2回連続でやられてもなんか…さっき同じようなことしてたやん、となるんですよね。
これならアニメ内では最後まで「Spread the Wings!!」の存在を明かさずに、合宿も1stライブに向けた特訓という名目で行い、ライブの最後で実際の1stの登場演出(円形の舞台が昇降するアレ)でサプライズ的に披露されるとかの方がしっくり来たと思うんですよね。
正直初見で見た感想だと、大切な「Spread the Wings!!」が、すごくぼやっと最後に披露されただけのように思えたので、残念でした。勿論この曲がアニメとして映像になったことは嬉しいですし、めちゃくちゃ可愛かったところは良かったです。
・最終章が一番プロデューサーのキャラクター、役割が見えなかった
第3章でプロデューサー…何かしたっけ…。
いや本当にショックですよ。
シャニマスのプロデューサーってかなり特別な存在だと思うんですよ。
仕事に対する情熱が熱く、不器用なぐらい真面目で、愚直で、スーツも折り目正しく…
アイドル一人一人に寄り添って、大事な時にはその子にかけてあげて欲しい言葉をしっかり伝えてくれる、そんな人物。だからこそ自分自身というよりも、あこがれのような存在です。まぁ私にとっては、ですが…。
第2章では、プロデューサーなりにテレビ局にドキュメンタリー番組を制作してもらえないか営業をしたり、自分に出来ることはないか模索するなど、少しですがそういった彼らしさが見えました。
3章に関してはそれがほとんど無かったというのも残念でしたが、一番驚きだったのは「Spread the Wings!!」の件です。
今のアイドル達を見て作ったのはまだ分かるんですが、披露する機会は他にも作るから今回じゃなくてもいい、判断は皆に任せるというところですね。
いやまぁイルミネのフォーメーションの件といい、最終的な判断をアイドルに任せることは否定しないですよ。ただ、1stライブで披露出来ればライブはもっと良くなるって思うんだが皆はどうだろう、みたいな提案とかもないですし、そもそもそういうスケジュール管理をしっかりするのもプロデューサーだろ…と思ってしまうというか、なんか全部時間がなくて後手後手だし…なんか閃いたから急だけど作ってみた!みたいにしか映りませんでした。
すごく嫌な切り取りかもしれませんが、描写だけで判断すると、特にアイドルにかけて欲しい言葉をかけることもなく、時間がないから判断はアイドルに任せる、そういった部分だけが印象に残ってしまっています。
結局全編を通して、アイドル達は自分自身で何かを掴むというシーンが多く(それも大事なことですが)、真乃に関しても最初に信じてくれたという後押しだけで最終話まで乗り越えてしまったので、プロデューサーがアイドル達をプロデュースしているという描写がほとんどありませんでした。特に3章は本当に無かった。
個人的な固定観念なのかもしれませんが、やはり「アイドルマスター」という作品において、プロデューサーがアイドルを導く、プロデュースするという描写が無いという点はマイナスに感じてしまいました。
ゲームでの彼も完璧な存在ではありませんが、少なくともアイドル一人一人に寄り添って、色んな言葉をかけて、より高い空にに導こうとしてくれる存在に映ります。
あと3章に限った話では無いんですが、プロデューサーが社内だとほとんどノーネクタイで第一ボタンを開けているのも個人的には解釈違いでした。
深夜とか寮で引っ越し蕎麦食べてる時はともかく、プロデューサーってアイドルの前でもフレンドリーだけど頼れる存在のような、きっちりとした姿でいたいと思ってるイメージなんですよね。実際円香もスーツも折り目正しく美しいと評していますし。それが結構ラフすぎるというか、ちょっとだらしなく見えてしまいました。
結局プロデューサーの代名詞ともいえる「ははっ」も一回も言わなかったしなぁ…。
・似た演出、同じ様な演出が多すぎる
真乃が浮かない顔をしていて、灯織やめぐるが声をかける。このくだり3章だけで何回やるねん!ってなりました。
あと川辺の階段で座り込んで話させるの好きすぎるでしょ。
全章通してだとアンティーカ以外のユニット全部やってたし…。
それに全員で空見て思いにふけりがち。
OPからしてやってますしね。アニメでよくあるやつかもだけど、こういうところでリアリティ無い描写挟んじゃうと全体の作風とかみ合わないから浮いちゃってるんだけどな…だって普通みんなで空とか眺めないじゃないですか。
アイドルの顔一人一人をアップで写して雰囲気だけそれっぽくしがち。
いや可愛いよ。でもなんか…うん。同じ章で2回(合宿の夜とStW)もやられるとくどいかな…って。特に合宿のやつは尺余りみたいな感じでエモさも無かったし…いや全然尺足りてないんだけども。
・劇半というかBGM全体の印象が…全く残ってない
これも3章に限った話では無いんですが…。
フィルムスコアリングという手法で、それぞれの場面に応じた曲を全て制作しているとのことでしたが…全然印象に残らなかったです。ほとんどピアノでしっとりした曲が流れてるだけのイメージです。
これならゲームの既存BGMを使った方が雰囲気も出たし、場面に応じたものになったと思いました。まぁその方が嬉しかったっていう理由もありますけども。
W.I.N.G.の時には決勝前のBGMが流れるとか、もうちょっとそういうのがあっても良かったんじゃないかなぁと物足りなさは感じます。
シャニマスってBGMもすごく印象に残るゲームだと思うんですよ。なのにアニメだとそれがさっぱりっていうのもなんか…もったいないです。
とまぁざっくりこんな感じでしょうか。
大分ネガティブな感想になってしまいましたが…それだけ個人的に不満点が多かったというのが実際のところです。
あ、そうだ。あとライブなのにマイクも持ってないしイヤモニしてないのもずっと気になってたんですよね。どうやって歌ってんねん…ってなりません??????
そこ別に描写オミットしてもいいか~ってなるとこじゃなくないですか?アイドルのアニメですよ???
もちろん良かった点もあります。
やっぱりこのアニメ、真乃は本当に可愛い。いつ見ても新鮮な気持ちで「え!!!!!!!!!!!!!!!!!!!??????????????????、可愛い~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!」ってなります。
そして真乃のボーカル面に注目して、真乃の16人で一緒に頑張りたいという気持ちが歌声にのってそれがプロデューサーやアンティーカに届くというシーン。ああいった演出はアニメならではと感じました。
真乃達の歌を聞いた咲耶が、イルミネを「追いかけよう」と言っているのも、実力や人気があるとされるアンティーカも「センターは真乃だ」と感じているようで、これまでにはなかった描写でした。
あとはやはり太陽キッスがアニメーションで描かれたのも純粋に嬉しかったです。
想像の5倍ぐらい暴れまわる果穂で笑いましたが、太陽キッスのテンション感がすごく伝わってくる画でした。
他にも、銀曜日を連想させる構図から(2回も同じカット使うなとか、喫茶店で歌を歌うなとかの不満はあるけど…)、アンティーカ感謝祭を彷彿とさせる咲耶との会話に移るあのシーン。
感謝祭シナリオもあれだけ匂わせておいてやらないのかという感情もありますが、曇りガラスなどもしっかり描写して銀曜日の文脈を利用して、皆の仕事ぶり全部を知れないからこそ、皆の話を聞くのが楽しみだというお話だったのは非常に美しく感じました(そこに気づくのはコミュ読み漁ってるシャニPだけですが…)。
改めて総括すると、小ネタとかこれまでの文脈を読み取るみたいな小手先ばかり気になって、大筋となるシナリオや演出で良かったと思えるところがあまり無かったという印象のアニメでした。
ドキュメンタリー風だから普通のアニメと同じ見方をするのは~…とか、新規がどう思うという視点は~…という意見もありますが、アニメであることは間違いないですし、版権側はこれを機に新規を取り込みたいという狙いは確実にあるはずです。
というよりそもそもそういった視点関係無しに、単純に作品として盛り上がりに欠けている、分かりにくい、面白くないというマイナスの評価になる出来だったかなと思います。
まぁどちらかというと完全新規の方が雑念なく楽しめるんじゃないでしょうか。もともとenzaが好きな人だと、どうしてもenza版と比べてしまうので。
そして最後の最後に投下されたこれ
もしかしたら紙飛行機であさひの匂わせぐらいするのかな~とか思ってましたが、あさひが映った瞬間に大声出そうになりました。
そこからノクチルまで出るもんだから相当びっくりしましたね。
正直今の作風にストレイライトとかノクチルがマッチするのかと言われると…う~ん、難しいような気がします。
というか今作の作りに満足していないので、どうせ続きを作るならごっそり変えて欲しいと思っています。3Dじゃなくてもいいです。
まぁ長々と文句を垂れてきましたが、私が言いたいのはやっぱり色んな方にenza版をプレイして頂きたいということです。
一個人として今のシャニアニを特段オススメしようと思いませんし、シャニアニで自分が感じているシャニマスの良さが伝わるという感覚もありません。やっぱり自分はenza版のシャニマスのシナリオ、雰囲気が好きで、それを皆にも知ってもらいたいし、enza版がずっと続いて欲しいんだなとアニメを通して強く実感しました。
これだけネガティブなことばかり言っておいてアレですが、自分に出来ることはシャニマスの魅力を少しでも発信することだけです。
シャニマスの良いところ、魅力はやはりenza版に凝縮されていると私が感じているので、今後もそういった記事を書いていこうかなと思っています。
もちろん、シャニアニだって応援はしたいと思います。見た人が楽しんでいる感想を否定するものではないですし、私が面白くなくても、シャニアニをきっかけに色んな人がシャニマスに出会ってくれることを心から願っています。